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心理面を強化する基本的なテクニック

モチベーションの高い組織を創り上げるための目標設定とは?

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モチベーションの高い組織は高い生産性を誇ります。

しかしながら、どのようにしたらモチベーションの高い組織を創り上げることができるか分からない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、モチベーションの意味と、日本の組織におけるモチベーションの現状、組織におけるモチベーションの高め方を紹介します。

モチベーションとは心理的エネルギーのこと

モチベーションとは簡単に言えば心理的エネルギーのことです。

心理学的には「動機づけ」と表現します。

身体を動かすために、カロリーが必要なのと同じように、自分が行動するためには心理的エネルギーが必要になります。

動機づけは簡単に分けると下記の3つがあります。

継続的かつ高いモチベーションの内発的動機づけ

継続的かつ高いモチベーションの種類を内発的動機づけといいます。

内発的動機づけは継続時間が長く、人が行動を起こすためのエネルギーとしては最も多いです。

人を内発的に動機づけさせるためには、その人自身の物事に対する「楽しみ」や「面白さ」や「やりがい」といった、行動自体に価値を感じてもらう必要があります。

スポーツで例えれば、「サッカーが好き」「サッカーが面白い」「サッカーがやりたい」といった気持ちが当てはまります。

このような自分の内側から湧き出る心理的エネルギーは、阻害される要素が少なく、安定的・継続的なモチベーションにつながります。

この内発的動機づけは、モチベーションレベル3.0と呼ばれる最もレベルが高いモチベーションです。

一時的なモチベーションを高める外発的動機づけ

外発的動機づけは、一時的なモチベーションを劇的に高めるためには必要です。

例えば、叱咤激励や報酬によるモチベーションは外発的動機づけに当てはまります。

会社が社員に対して「特別に報酬を支払う」ことや上司が部下に怒鳴ったり褒めたりする行為は、一時的なやる気を高めます。

しかしながら、外発的動機づけは継続的なモチベーションにはつながりません。

あくまで一時的な作用にしか過ぎずモチベーションの高い組織を創り上げるためには最終的に内発的動機づけを高める必要があります。

最低限の行動のみを起こす生理的動機づけ

最低限の行動のみを起こすモチベーションの種類を生理的動機づけといいます。

この生理的動機づけとは、「おなかがすいたからご飯を食べる」「眠いから寝る」といった必要最低限生きるために必要な行動を起こすときのエネルギーを指します。

これらはモチベーションレベル1.0と呼ばれ、最も低い次元のモチベーションです。

モチベーションの高い組織は高い生産性を生み出す

公益財団法人 日本労働生産性本部(2018)『労働生産性の国際比較2018』p.2より抜粋引用

モチベーションの高い組織は高い生産性を生み出します。

生産性とモチベーションの関係については、過去の研究で数多く証明されており、モチベーションのレベルが高いほど、生産性も高いことが知られています。

日本の組織における労働生産性は低い

労働生産性とは、労働者一人が一時間あたりに生産できる成果のことです。

この労働生産性は、OECD(Organization for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)によって算出されています。

日本生産性本部による2018年度の発表1) によると日本の労働生産性は、「47.5ドル(4,733円)でOECD加盟国36か国中20位」と位置付けられています。労働生産性が最も高い国トップ3は下記の通りとなっています。

  1. アイルランド(97.5ドル/9,710円)
  2. ルクセンブルク(94.7ドル/9,430円)
  3. ノルウェー(82.3ドル/8,120円)

この結果からすると、日本の企業や日本の組織で働いている人々の生産性は低いことが言えます。

日本の組織におけるモチベーションレベルは世界最低レベル

日本の組織におけるモチベーションレベルに対する調査(米ギャラップ社調べ)では139か国を対象として従業員のエンゲージメントを調査しています。

結果として、139か国中132位のモチベーションレベルとして位置づけられています。

内訳として下記の割合が示されています。

  • 熱意溢れる社員:6%
  • 周囲に不満をまき散らしている無気力な社員:24%
  • やる気のない社員:70%

この結果に対して、ギャラップ社CEOのジム・クリフトン会長兼最高経営責任者は、ミレニアム世代が求めることと旧来のコマンド&コントロール(指令と管理)のやり方にギャップがあることが問題と指摘していて、上司のマインドセットを変えなければ改善しないことを述べています。

モチベーションの高い組織は個人の仕事における価値観・意味・期待感を重視する

モチベーションの高い組織は、個人の仕事における価値観・意味・期待感を重視します。

これらが、モチベーションを生み出し、会社で仕事することに対する「やりがい」を従業員に感じさせます2)。

モチベーションの高い組織は従業員の価値観を重要視する

モチベーションの高い組織は従業員の価値観を重要視します。

なぜならば、人はそれぞれ価値観を持っていて、その価値観を重要視することによってモチベーションにつながるためです。

価値観の観点からモチベーションを説明するときに重要なことは、人は高いレベルの目標や基準に挑戦し、独自のやり方で成し遂げたいというモチベーションをもっているということです。

他の人に指図されてやった結果が良くとも、本人の満足度にはつながらず、モチベーションも低下します。

つまり、従業員のモチベーションを高めて組織全体のモチベーション向上を図るためには、自分自身の意思が重要です。

自主的な行動を促すことで組織のモチベーション向上につながる

従業員の自主的な行動を促すことで組織のモチベーション向上につながります。

これは自己決定理論の中でいわれている「自律性」「有能性」「関係性」を満たすことにつながります。

自己決定理論の中では、この3つの条件を満たしているほどモチベーションレベルが高いことが立証されています。

つまり、ほかの人に指示された場合には、自律性は満たされないですし、仮に良い結果を達成できたとしても有能性は満たされません。

もしかすると、「あいつ余計なことばっかりしやがって、ほんとうざいんだよな」と関係性すら満たすこともできないかもしれません。

つまり、本人の意思決定を尊重することが個人のモチベーション向上につながり組織全体のモチベーションを高めることができるのです。

モチベーションの高い組織は個人に対して高い期待感を示す

モチベーションの高い組織は従業員に対して高い期待感を示します。

これは、価値のある報酬に対して自らの努力で達成することができるという期待感のバランスによってモチベーションレベルが高まるという期待価値理論で説明することができます。

人は、「君にはどうせ無理だよ」と言われれば誰でもやる気がなくなります。

しかしながら、「君なら○○だからできる、応援しているよ」と言われたらどうでしょうか。

明確な根拠をもって期待感を持たせてあげることで、その人のモチベーションは高まります。

モチベーションの高い組織の特徴は個人に対してMastery Goalを設定している

モチベーションの高い組織の特徴としては、個人に対してMastery Goalを設定していることです。

一般的に知られていることで例をあげると、KPI(Key Performance Indicator)はMastery Goalに近いです。

このMastery Goalは、上司や会社側が設定するのではなく本人自身が決めることで効果を発揮します。

上司や会社は、最終的な目標を定めて、個人のMastery Goalを設定するためにサポートすることが組織のモチベーション向上において求められます。

Mastery Goalを設定する上で大切なポイントは、自分で決めることと上司や会社が寄り添うようにサポートして期待感を持たせることです。

組織のモチベーションを高めるMastery Goalとは?

組織のモチベーションを高めるMastery Goalとは、効率的に結果をだすために必要なプロセスにおける目標のことです。

Mastery Goalを立てる必要性を説くとき、よく迷路で説明します。

迷路はスタート地点とゴール地点が定まっています。

しかしながら、どのようにたどり着けばよいのかわからないまま進むからこそ人は迷いながら進みます。

一方で、途中に目印があったらどうでしょうか。

おそらく多くの人が迷わずに迷路を進むことができるでしょう。

この目印こそ、Mastery Goalなのです。

つまり、結果を効率的に出そうと思えば思うほど、Mastery Goalを定めることとその精度が重要になります。

組織のモチベーションを一時的に高めるPerformance Goal

組織のモチベーションを一時的に高めることができるのはPerformance Goalです。

Performance Goalとは、最終的な結果のことです。

具体例を挙げると、プロジェクトの月間目標〇〇〇万円といったことや、店舗の月商〇〇〇万円といったことです。

このPerformance Goalは、組織の一時的な一体感を生み出し一時的な高いモチベーションを生み出します。

しかしながら、Performance Goalは、時間の経過とともにモチベーションが下がることが心理学の領域では立証されています。

ただし、Performance GoalあってこそのMastery Goalですので、Performance Goalは、必ず定めなければなりませんし、最終的に達成すべき目標です。

モチベーションを組織で高めるためにはMastery Goalを個人で設定させましょう

モチベーションを組織で高めるためには、Mastery Goalを個人で設定させましょう。

Mastery Goalの設定で重要なことは、実際の業務の一つ一つの行動まで落とし込むことです。

例えば、私のライティング業務では、1時間に2000文字というノルマを掲げています。

もちろん達成できる場合と達成できない場合がありますが、業務の行動に落とし込んで考える事によって、質の高いMastery Goalを設定することができるのでモチベーションを高めることができます。

このようなMastery Goalを設定するポイントとしては下記のようなSMARTSな目標が良いでしょう。

  • S:具体的な目標(Specific)
  • M:測定可能な目標(Measurable)
  • A:達成可能な目標(Attainable)
  • R:現実的な目標(Realistic)
  • T:期限付きの目標(Time-Bound)
  • S:自分で決めた目標(Self-Determined)

個人でMastery Goalを設定したらその項目に対する評価を一緒に行いましょう

個人でMastery Goalを設定したら、その項目に対する評価を上司や会社は行うようにしましょう。

特に、ポジティブなフィードバックをしてあげたほうが、本人自身のモチベーションにつながりやすいです。

ただし、叱ったりしてはいけないという意味ではなく、ポジティブなフィードバックを多くした方が良いという意味です。

ポジティブなフィードバックをすることで、自己決定理論の中でいわれている「関係性」を保つことができますし、本人の「有能性」も高めることができます。

結果的に個人のモチベーションが高まり、組織全体のモチベーションも高まるでしょう。

組織のモチベーションを高めるために努力を認める組織になろう

組織のモチベーションを高めるためには、努力を認める組織になることが大切です。

なぜならば、結果に対してしか評価を実施しない組織はモチベーションが低くなるからです。

それは、個人の価値観を認めることにはつながりませんし、結果が出た場合はモチベーションが高まるが出なかったらモチベーションは低くなるという不安定なモチベーションを持つ組織になってしまいます。

上司や会社は、努力を認め、結果が出なかったら努力の方向を結果がでる方向性に導く必要があるでしょう。

確かに上から指示を出せば業績はあがるかもしれませんし、売り上げにつながるかもしれません。

ただし、組織全体のモチベーションを高めたいのであれば、トップダウン式の組織図からボトムアップ式の組織図に変化させることが重要です。

そのためには、従業員の努力を認める文化を組織として持つ必要があります。

まとめ

組織のモチベーションを語る上では、モチベーションの種類があることを知る必要があります。

モチベーションの種類には、内発的動機づけ・外発的動機づけ・生理的動機づけがあり、それぞれにおいてモチベーションのレベルが異なります。

このモチベーションのレベルによって、組織の生産性は大きくかわり、内発的動機づけが高いほど生産性は高くなります。

しかしながら、日本の組織のおけるモチベーションレベルは、国際レベルでみたときに世界最低ランクであり、組織改革を行う必要があります。

モチベーションの高い組織をつくりあげる上で重要なことは、個人の価値観を尊重し、自己決定の機会を与え、本人が決めたことに対して会社や上司が期待感をしめすことがあります。

そのためには、会社や上司がPerformance Goalを設定してそれに対して従業員一人一人に自分自身でMastery Goalを設定してもらいましょう。

このMastery Goalは、日々の業務の行動に落とし込んで設定することによって、個人のモチベーションを高めることができるため組織全体のモチベーションを高めることができます。

組織のモチベーションを高める上では、個人の努力を認める文化を持つ必要があります。

こうすることで、組織の離脱率(会社の離職率)低下や働きがいにつながるでしょう。

本記事を参考にして、組織運営を考え直してみてはいかがでしょうか。

参考引用文献

1) https://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2018_press.pdf

2) 岡田絢美・杉浦正和(2014).目標設定と働きがい 早稲田国際経営研究,45:109-124.

私の活動について

私は、長年メンタルトレーニングアドバイザーとして大学生弓道部や中学生野球などのスポーツチームに対してメンタルトレーニングの指導と、大学院にて研究をしていました。

その中でスポーツの魅力を感じ、スポーツの価値を社会に広める活動をしています。

主に「競争を競創へ」をコンセプトに、アスリートのパフォーマンス向上が社会人のパフォーマンス向上に寄与できるプログラムを提供しています。

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