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エフィカシーはビジネスパーソンの生産性を高めて結果をもたらす

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近年では、心理学領域の研究も多く行われ、会社の組織体制やマネジメントなどに科学的な手法が取り入れられるようになりました。

エフィカシーもそのうちの一つです。

本記事では、学術的な背景をもとに、ビジネスパーソンのエフィカシーについて詳しく解説することとします。

エフィカシーは自分の可能性をあらかじめ予測する能力

エフィカシーとは、心理学領域ではセルフ・エフィカシーという言葉として使われます。

セルフ・エフィカシーは、Bandura(バンデューラ)という学者によって提唱された社会的学習理論の一つです。

Bandura(バンデューラ)は、”ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるかという個人の確信”と定義しています。

つまり、セルフ・エフィカシーは「自分はこの結果を達成できる」「自分にはこの結果は無理だ」「自分はもっと高い結果を達成することができる」といった、自分の可能性をあらかじめ予測するために人が感覚的に行っていることなのです。

学術的には少し異なりますが、自信に近いです。

セルフ・エフィカシーの高さは積極性・不安・能力によってきまる

セルフ・エフィカシーの高さは、積極性・不安・能力によって決まります。

積極性のある人は、仕事をするときに自信を持って率先しておこなったり、即断即決ができたり、積極的にコミュニケーションをとったりできます。

また、不安が低い人は、終わった仕事に対して失敗を感じづらかったり、小さな失敗はあまり気にしなかったりします。

能力が高い人は、人よりも記憶力がよかったり、豊富な知識をもっている分野があったりします。

このような3つの要因が、自分自身のセルフ・エフィカシーの高低を決めています。

エフィカシーはビジネスパーソンの生産性を高め結果をもたらす

セルフ・エフィカシーはビジネスパーソンの生産性を高めて結果をもたらします。

セルフ・エフィカシーとビジネスパーソンの生産性(Job Performance)については、因果関係がMing-Cheng Lai and Yen-Chun Chen(2012)の研究によって明らかになっています。

ビジネスパーソンの生産性(Job Performance)を高めるセルフ・エフィカシーは、4つの要因が関係していることをFred C, Lunenburg(2011)は報告しています。

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因①

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因のひとつ目として、過去の仕事の生産性(Past Performance)が挙げられます。

これは、ビジネスパーソンの生産性とセルフ・エフィカシーの関係では、最も大きなインパクトを生みます。

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因②

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因のふたつ目として、代理的な経験(Vicarious Experience)があります。

この代理的な経験とは、ほかの人の成功が自分の成功のように思える体験のことです。

まわりの成功体験が多ければ多いほど、代理的な経験もしやすいでしょう。

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因③

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因の3つ目として、言語で目的を伝えること(Verbal Persuasion)があります。

言語で目的を伝えることは、ピグマリオン効果(教師が生徒に期待をかけることで成績があがる効果)を生み出し、ビジネスパーソンの生産性を高めます。

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの要因④

ビジネスパーソンの生産性を高めるセルフ・エフィカシーの最後の要因としては、感情的な合図(Emotional Cues)があります。

仕事に対して、ビジネスパーソンは常に感情を持っています。

例えば、仕事が多すぎるときはイライラしたり、頭がいたくなったりします。

この感情は、人から人へ伝染します。

笑っている人のそばにいると自然と笑みが出るのと同じように、ネガティブな感情の人のそばにいるとイライラしたり、気分があまりよくなかったりするのと同じです。

この感情の合図がポジティブな人ほど、ビジネスパーソンにおける生産性も高くなるのです。

エフィカシーはビジネスパーソンの満足度も高める

セルフ・エフィカシーは、ビジネスパーソンの満足度を高めることにつながります。

ビジネスパーソンの満足度は、ビジネスパーソンの離職率に直接関係しています3)

離職率は、近年日本国内の多くの企業で問題視されていることでもあります。

離職率の改善のためにも、従業員のセルフ・エフィカシーを高めることは有効な手段です。

エフィカシーを高めるための3つの方法

セルフ・エフィカシーを高める方法は大きく分けて3つあります。

これは全て、認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)に基づいて開発された手法です。

エフィカシーを高めるための自己分析

セルフ・エフィカシーを高めるための自己分析では、主に下記のようなことを分析します。

  • セルフ・エフィカシーを測定する(GSES測定尺度)
  • 自分の仕事における積極性について振り返りを行う
  • 過去の仕事における積極的な体験を振り返る
  • 過去の仕事における周囲の環境についての体験を振り返る

GSES測定尺度は、心理テストです。

この心理テストは、一般的なセルフ・エフィカシーを測定することができます。

ただし、このセルフ・エフィカシーを測定する際には、企業の採用・不採用に用いないことや、仕事の評価として用いないことは前提です。

この前提を無視してしまうと、正確な数値を測定することができないためです。

その他の分析に関しては、現在の自分や過去の自分の体験を振り返ることが主な作業です。

Whyを過去の体験から振り返ることが重要

この振り返りの作業で重要なことは、様々な角度から体験を深堀して「なぜか?」を振り返ることです。

HowやWhatといったことをうまく思い出すことで、Whyが振り返りやすくなります。

Whyを振り返ってセルフ・エフィカシーを高めるためには、下記のような項目を参考にしてみるとよいでしょう。

  • うまくいったときの仕事はどうだったか?
  • その時は積極的に動けていたか?
  • 不安はなかったか?
  • 周りの人はどんな状態だったのか?
  • それはなぜか?

Whyはその人自身にとっての原理・原則です。

Whyが分かると、次の目標設定を効果的に行うことができます。

エフィカシーを高めるための目標設定

目標設定(Goal Setting)はセルフ・エフィカシーを高めることができます。

目標設定は、単に目標を設定するだけではなく、目標を達成するためのプロセスも明らかにする必要があります。

組織における目標設定については下記の記事で触れているので、よろしければ参考にしてみてください。

セルフ・エフィカシーを高めるための目標設定で大切なことは、自分がうまく仕事を行うためにどのようなことを行えばよいかプランニングすることです。

例えば、お店の月商を450万円に目標設定するのであれば、毎日15万円の売上が必要です。

週間に換算すると、売上は105万円必要です。

毎日15万の売上には、何をいくつ売る必要があるのか、従業員に何をしてもらえばそれが達成できるかなどを明らかにする必要があります。

そのうえで、自分がとる行動は何かも明らかにします。

従業員に1000円の商品をおすすめしてもらったり、従業員の貢献度と売上の表やグラフを作ってみたり、色々と考えられるでしょう。

このように目標設定では、単に目標を設定するのではなく、自分が何をすれば良いのかまで明確にしましょう。

エフィカシーを高めるための上司のサポート

セルフ・エフィカシーを高めるためには、上司のサポートは欠かせません。

上司のサポートとは、教える事ではなく、引き出してあげることです。

たとえ、上から押し付けられて達成できたとしても、従業員のモチベーション向上にはつながりませんし、セルフ・エフィカシーを高めることにもつながりません。

セルフ・エフィカシーを高めるためには、その人自身に決定権を持たせてあげて、上司が寄り添ったサポートをする必要があるのです。

このコーチングについては、私が運営しております、NPO法人スポーツコーチング・イニシアチブのコーチングステーションにて多くの記事を書いています。

併せてご覧ください。

まとめ

エフィカシーとは、セルフ・エフィカシーのことで、自分の可能性をあらかじめ予測する能力のことで、積極性・不安・能力などによって決まります。

セルフ・エフィカシーが高まることによって、ビジネスパーソンの生産性が高まり、結果に直結します。

またセルフ・エフィカシーは、ビジネスパーソンの満足度にもつながることが過去の研究結果で明らかになっています。

このセルフ・エフィカシーを高めるためには、自己分析・目標設定・上司のサポートが必要で、自分自身で取り組むことはもちろん、企業体制における施策の一つとしても必要です。

本記事を参考に、自分自身のエフィカシーを高めてみてはいかがでしょうか?

参考引用文献

1. Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84: 191-215.

2. 坂野雄二・東條光彦(1986).一般性セルフ・エフィカシー尺度作成の試み 行動療法研究,12(1):73-82.

3. Ming-Cheng Lai and Yen-Chun Chen (2012). Self-Efficacy, Job Performance, Job Satisfaction, and Turnover Intention: The Effect of Personal Characteristics on Organization Performance. International Journal of Innovation, Management and Technology, 3 (4): 387-391.

4. Fred C. Lunenburg (2011). Self-Efficacy in the Workplace: Implications for Motivation and Performance

5. Ian Kellar, Richard Parker, Siobhan MacRae, Matthew Learmonth, Bianca Sykes, Natalie Taylor& Holly Castle (2013). How can self-efficacy be increased? Meta-analysis of dietary interventions Health Psychology Review, 8 (3) :270-285.

セルフ・エフィカシーを高めるコンサルテーションのお申し込みは下記よりお願いします。

私の活動について

私は、長年メンタルトレーニングアドバイザーとして大学生弓道部や中学生野球などのスポーツチームに対してメンタルトレーニングの指導と、大学院にて研究をしていました。

その中でスポーツの魅力を感じ、スポーツの価値を社会に広める活動をしています。

主に「競争を競創へ」をコンセプトに、アスリートのパフォーマンス向上が社会人のパフォーマンス向上に寄与できるプログラムを提供しています。

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